なかなか主役になりにくい銀杏を前面に押し出したパスタを作りたい‥
それに帆立とマッシュルームの力を借りてトライしてみました。
もう季節は冬ですね‥
ただ冬の前は豊穣の秋、そう一年の実りを楽しむのに最適の季節で、その時期に旬を迎える多くの食材たちと出会うことが出来る季節でもあります。
思えば去年はペコリで果物のパスタ作りにはまってましたね^ ^;;
手始めは柿のパスタ、これに味をしめて12月にはクリスマスリースをイメージした苺のパスタを作り、その後はみかんのパスタも作りました。
で、ここRistoranrte Salvatoreでは定番はもちろんの事、創作イタリアンではなるべく日本の旬の食材を題材にしたいと^ ^
そんな思いの中今回取り上げるの銀杏^ ^
和食でも茶碗蒸しか会席の先付けぐらいでしかお目にかからない銀杏‥
主役にはなりにくい食材ですが、その食感と独特の風味は秋を連想させるに十分すぎるインパクトがあります。
当初浮かんだイメージはゴルゴンゾーラのニョッキで仕上げること‥
でもこれでは単にゴルゴンゾーラのニョッキに銀杏を加えただけで創造性に欠けます>_<
そこでネットで色々調べ、ペコリのレシピも拝借応用し仮説に基づくイメージ?でこんなことを考えました。
銀杏が使われるのは茶碗蒸しや塩焼き‥
つまり塩分ベースの料理の味のアクセントに使われるのが銀杏。
ならば塩分ベースに風味とはっきりとした食感を加えるよう、秋らしい個性の強過ぎない食材を使いパスタを作ってみよう!
そこでイメージしたのが‥
秋の食材として山の幸のキノコ、選んだのは秋らしい色彩も考えてブラウンマッシュルーム。そして海の幸の帆立を選択、そして主役の銀杏です。
塩味はゴルゴンゾーラにになってもらうことに。
ただし今回はニョッキではなくタリアテッレ、別名フェットチーネを使いますから、絡みやすさを考慮してスープではなくソースで仕上げようかと‥
そしてそのソースは僕の知らないプロシュートまで使って作るゴルゴンゾーラソースのレシピをペコリで見つけましたので、それをベースにSalvatore仕様に仕上げていきたいと思いました。
なぜこのソースを選んだかというと、ソースに細かく刻んだプロシュートを加えることで、そのプロシュートが幅広のタリアテッレに付着しソースが絡みやすくなるのでは?とイメージしたのです^ ^;;
ちなみにタリアテッレはイタリア北部での名称。
これが中部や南部に行くとフェットチーネと呼ばれるようです、ミラノファンの僕的にはタリアテッレ^ ^
材料 2人前
ゴルゴンゾーラソース
1 ゴルゴンゾーラチーズ ドルチェ 80g
2 プロシュート 3枚
3 白ワイン 80ml
4 生クリーム 60ml
5 くるみ 大さじ
6 蜂蜜 適量
7 砂糖 適量
パスタ
1 銀杏 20個
2 ブラウンマッシュルーム 6個
3 帆立貝柱 4個
4 イタリアンパセリ 適量
5 バター 適量
6 赤ワイン 大さじ1杯
7 タリアテッレ 160g
では作り方です。
1 銀杏を熱したフライパンに入れて表面に焦げ目がつく程度まで焼く。この時オイルは不要。
2 焼いた銀杏をクラッシャーで割り、中身を取り出し薄皮を剥く。
*薄皮を剥く際に熱湯に浸してから剥くと剥きやすい。
3 ブラウンマッシュルームの汚れをティッシュで落とすし、使用しない石づきを切り落とブラウンマッシュルームを半分に切る。
*キノコ類の汚れはティッシュでとり水洗いしない。
5 プロシュートを細切りのそぐように、引きちぎるように細かく切る。
*作った結果プロシュートの塩分が強すぎたので、この大きさのプロシュートならば二人前につき一枚か、一枚位と半分でいい。
6 帆立の貝柱の両面に飾り包丁を入れる。
7 クルミを多少食感の残る程度にみじん切りにする。
8 ゴルゴンゾーラを溶けやすい大きさになるように切り分ける。
9 ブロッコリースプラウトをなるべく葉の部分だけになるように準備して、必要食材の下準備を終える。
10 中火のフライパンにバターを入れ溶かし帆立を入れて、中が半生になるように両面を各々30秒前後焼き皿に移す。
11 帆立を焼いたフライパンにブラウンマッシュルームを入れて強火で炒める。
帆立エキスの混じったバターを全部吸い込んだら赤ワインを入れる、フライパンを揺すりながらアルコール分を飛ばしワインがなく
なったら皿に移す。
12 生ハムを中火で多少色が変わる程度の半生に炒め、そこに白ワインを入れて30秒ほど強火にしてアルコール分を飛ばす。
14 弱火にして生クリームを入れてよくかき混ぜ、その後ゴルゴンゾーラを入れて溶かす。
味見をして必要に応じて蜂蜜と砂糖を加える。
ゴルゴンゾーラが完全に溶けきったら火を止めて銀杏とクルミを入れて硬くならないように余熱だけで熱す。
15 沸騰して塩を加えたお湯にタリアッテレを入れて規定の茹で時間より1分半ほど早く引き上げる。
ゴルゴンゾーラソースに帆立、ブラウンマッシュルームと入れてソースを絡めてから取り出し、茹で上がったタリアテッレを入れて
よく混ぜ合わせ器に盛り付け、帆立とブラウンマッシュルーム、ブロッコリースプラウトを配して完成。
今回はお皿のエッジに摩り下ろしたパルミジャーノレッジャーノを回し掛けてます。
味はいつも作るゴルゴンゾーラスープのニョッキよりも濃厚なマッタリ感がありなかなかの美味。
ただし結構多めの白ワインが入っているのでゴルゴンゾーラの風味は少々薄まっている気がしました。
それと最後にソースとパスタを絡める際の時間の問題でしょう、生ハムに付着するはずのゴルゴンゾーラソースが少なかった気がします。
ブラウンマッシュルームはしかりとした食感にほのかなホタテバターの風味が混じり、帆手ては焼いた表面と中の半生感がいい感じです。
ブラウンマッシュルーム、帆立共に一口大にしていますから幅広のタリアテッレと口に入れた時の相性が良く、噛みしめて味わう感じのパスタに仕上がり全体の纏まりも良かったです。
主役の銀杏ですが‥
残念ながら主役にはなりきれず名脇役といったところでしょう。
やはりゴルゴンゾーラソースと帆立の味、ブラウンマッシュルームの食感が勝り、その中で時折銀杏特有のちょっとした爽やかな青臭さと、噛み切れのいい少し強めのグミのような食感がアクセントになっている‥
そんな感じでした。
ここで次回に作る際の改良点を上げておきます。
1 途中にも書きましたがプロシュートの量は考えないといけません。
それ自他結構な塩分なのでゴルゴンゾーラの塩分と相まって塩分が強くなりすぎます。
2 パスタソースはよく「絡める」と云ういい方をしますが、火にかけて絡めるメニューのものは「絡める」よりもスープやソースを
「吸わせる」ことが大切。
ですから今回も40秒ほどフライパンを動かさずにソースをタリアテッレに吸わせてから、その後40秒ほどフライパンをあおって
ソースを絡めたのですが、時間が長すぎました。
多分各々、20秒吸わせて20秒絡ませてぐらいでいいと思います。
食べ終わった皿を見た時にお皿の底にスプーン1杯分ぐらいのソースが残っているぐらいのパスタとソースの絡み具合を目指したい
です。
3 もう少しゴルゴンゾーラの風味を出したいので白ワインと生クリームの分量を逆にして、白ワイン60ml、生クリーム80ml がい
いかもしれません。